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脳科学最前線シリーズ

29 母性を生み出す脳内回路の不思議

女性の脳は、妊娠や出産を経て大きく変化するといわれています。
そのひとつが「母性回路」と呼ばれる脳内の神経系。
この「母性回路」が、妊娠時に分泌されるホルモンによって活性化すると考えられているのです。

女性の脳内を機能MRIという装置で調べた結果、女性が男性に対して抱く恋愛感情と自分の子どもに対して抱く愛情は、ほぼ同質のものだということもわかりました。
これはつまり、 恋愛感情を作り出すホルモンには中毒性があることから、母親の子どもに対する愛にも中毒性があるという意味になります。
女性の脳には、子どもの世話をして愛情を注ぐことに対し中毒になってしまうくらい心地いいと感じてしまうシステムが備わっているのです。

なぜ女性の脳には、そのようなシステムがあるのでしょうか。
それは太古の昔より、子どもを育て、子孫を残していくという仕事が人生でもっとも困難な仕事だったからです。
成し遂げ難い仕事だからこそ、進化の過程で子育てに喜びが感じられるような報酬システムが女性の脳に構築され、困難を乗り越えてでも子育てが達成されるように遺伝的にプログラムされたというわけなのです。
それだけ子育てとは重大で尊い作業だといえるでしょう。

また、子育てによって母親の脳機能も高まっていきます。
女性は妊娠すると、妊娠前に比べて五感が鋭くなることがわかっています。

たとえば嗅覚。
妊娠すると嗅覚が鋭くなり、妊娠以前は気にもならなかったような些細な臭いの違いにも敏感になります。
なぜこのような変化が起こるのかというと、胎児に悪影響をおよぼす危険性の ある食物を嗅ぎ分けて避けるため。
ちなみに食べ物に対する鋭い嗅覚は、出産後にはなくなってしまうのだといいます。

また、ほとんどの母親が自分の赤ちゃんの声を聞き分けることができたり、泣き声に即座に反応したりすることから、母親になると聴覚も敏感になるといわれています。

同様に、子どもを危険にさらさないよう周囲への注意力が高まるという意味から、妊娠している女性は妊娠していない女性に比べて格段に視覚能力が高まることもわかっています。

今一度、この素晴らしい脳の仕組みに思いをはせながら、親になることの素晴らしさ、親子という存在の尊さについて考えてみるのはいかがでしょうか。



—————————坂村真民(教育者、詩人)の言葉———————

川はいつも流れていなくてはならぬ  

頭はいつも冷えていなくてはならぬ

目はいつも澄んでいなくてはならぬ  

心はいつも燃えていなくてはならぬ




コペル 代表 大坪信之

この記事の監修者

大坪信之(おおつぼ のぶゆき)

監修者プロフィール

大坪 信之 (おおつぼ のぶゆき)

株式会社クラ・ゼミ 顧問
コペルメソッド エバンジェリスト

1963年福岡県生まれ。 幼児教室コペル共同創業者・ コペルメソッドエバンジェリスト。 福岡大学人間関係論非常勤講師。 一般社団法人徳育学会会長。 日本メンタルヘルス協会公認カウンセラー。 ユネスコ Inclusive Policy Lab専門家。

幼児教室コペルの創業以来、 30年以上にわたり心の教育を志し、 様々な研究に取り組み続けている。

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